院内紹介(歯科用CTのご紹介)

歯科用CT(Dental computed tomography)

当院には最新型の歯科用CTがあります。なぜ当院が歯科用CTを導入しているのか、そのメリットと当院機器の性能について詳しく解説します。

1.歯科用CTのメリットは?

診断の際に歯科用CTを使うことで、口腔内の状況などを3次元的に立体的に確認できるというメリットがあります。

パノラマレントゲン、デンタルレントゲンを利用しての診断は2次元となりますが、歯科用CTでは歯や顎を3次元で確認できるため、診断精度を高めることが可能となります。

どういう事なのか、症例別に詳しくご案内したいと思います。

2.症例別CTのメリットとは?

町田NI歯科の歯科用CT出力画面 ①水平断、②前頭断、③矢状断、④CG画像

当院の歯科用CTは①水平断、②前頭断、③矢状断、④CG画像から構成されて出力されます。

①水平断:頭を地面に水平に輪切りした状態の画像(上から覗いた状態)
②前頭断:顔と水平に輪切りした状態の画像(前方から覗いた状態)
③矢状断:頭を真ん中で輪切りした状態の画像(側面から覗いた状態)
④CG像:①-③をコンピュータ処理してCG立体模型の構築した画像

これらの中から、適宜必要な情報を見て、治療・診断に用いることになります。

2.1 歯周病治療

歯周病の診断において重要となるのは、歯を支える歯肉、歯槽骨の状態です。周囲の骨の減少度合が方針にも大きく影響します。CTをとることで、現状が立体的にわかり、より正確な診断と治療が可能になります。歯周外科療法、再生療法を行うには必須の資料と言えます。(*詳しくは歯周病とはをご参照ください)

歯周病治療の歯科用CT活用

顎骨の形状、骨の高さ、太さ、厚みが分かります。患者さんにもわかりやすいCG画像も出力されます。

2.2 神経(根管)治療

通常のレントゲン(パノラマレントゲン、デンタルレントゲン)だと歯の根の先に炎症があるかどうかは、うまく写り込まずに見落とすことがあります。また根っこや神経の走行は様々な形態をしており、数にも個人差があります。例えば、第4根管(上顎の大臼歯は一般的には3つと言われていますが、稀に4本目の神経があり、これが悪さをしていることがあります。)

また樋状根といわれる特殊な形態のもの、あるいは逆に1つしかないものなど様々なものが存在します。マイクロスコープ(顕微鏡)で見えるのは、あくまでも直線的に視認できるものであるため、湾曲した根幹(神経)の中はCTが必要になります。このような複雑な形態を持つ顔面、歯牙、顎骨を平面のみのレントゲンですべてを見つけることは難しいところです。

【下図】パノラマ画像での診断⇒正常
一般的な歯科医院のパノラマレントゲン写真

上の画像は、一般的な歯科医院のパノラマレントゲン写真です。このレントゲンでは左上の臼歯部は何の問題もないように診断されます。

一方、次の画像が同一患者の歯科用CT画像(左上の臼歯部を中心に撮影)となります。

【下図】CT画像での診断⇒上顎洞炎、重度歯周病、3根中の1つの神経の治療の不備が原因
同一患者の歯科用CT画像での診断結果

こちらの歯科用CT画像では、根っこの周囲の骨の喪失(歯周病の状態)はもちろんのこと、根の中の管の数も描出されています。また、上顎洞(鼻の横にある空洞)にも、異物形成をしていることがCT上であれば確認できます。

⇒上顎洞炎、重度歯周病、3つある根のうちの1つの神経の治療の不備が原因との診断

このように、CTであれば、歯周病・根の治療も原因がどこか確実な診断が可能になります。

2.3 インプラント治療

2.3.1 術前の診査

インプラントを適切に行うためには、十分な骨量を要します。通常のレントゲンで撮影されたものは、平面の情報しかなく、実際の骨の状態はどうなっているのか本当にはわかりません。また、例えば下顎の神経は一部でループ状になっていることがあり、この場所は平面のレントゲンでは把握がかなり困難で、この神経を損傷すると下唇付近の感覚の麻痺が残ることがあります。オペの成功率にも影響を与える重要な情報になります。

神経の走行の確認

2.3.2 シミュレーション

まず実際に治療を安全に行えるかどうかを、CTを利用しシミュレーションを行い、どの手術の方法を選択するべきかを事前に検討することが出来ます。

CTを利用したインプラントのシミュレーション全体

CTを利用したインプラントのシミュレーション詳細

2.3.3 手術直後の確認

術中の神経損傷を放置することで、神経麻痺が残る可能性があります。そうならないためには、原因となるインプラントを早期に除去する必要性があり、インプラントと神経との位置関係を3次元的に確認することが必要となります。

2.4 親知らずの抜歯

親知らずは神経、副鼻腔と近接して生えてくることがしばしばあります。顎を通る大きな神経に触れた親知らずを抜歯する場合、誤って神経を傷つけてしまうと麻痺が残ってしまう可能性がありますので、神経の位置を立体的にイメージして、丁寧に抜歯する必要があります。

また、上顎では副鼻腔と交通し、鼻と口がつながってしまう可能性もあります。既に副鼻腔炎になっている人もいます。その場合、術後、穴がふさがらないなどいうことも起きえます。術前に副鼻腔との位置関係をイメージし対応する必要があります。

3.当院のCT機器の被ばく量について

当院で使用しているレントゲン機器はすべてデジタルレントゲンです。デジタルレントゲンは現像により描出するレントゲン写真(フィルム式レントゲン)に比べて被ばく量が少なくなります。

CTを撮影したとしても、航空機を使った旅行の20分の1程度の被ばく量で、特に有害というものでもありません。

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