入れ歯治療(義歯の製作・調整)
痛い、咬めない入れ歯はなぜできる?
入れ歯の診療をしていると、「入れ歯で咬むと痛い」「食べものがうまく咬めない」など、日々多くのお悩みが寄せられます。どうして、このような入れ歯ができてしまうのでしょうか?
入れ歯の作製において、最も重要な工程がお口の型どりです。保険で入れ歯を製作する場合、お口の型どりにかけることができる時間と工程が限られており、型どりの際に使用する既製のトレーも大きさが決まっているため、どて(入れ歯を支える土台)、粘膜、小帯(お口の中のひだ)などを押しつぶしてしまいます。このように、保険の入れ歯では押しつぶされたどて等がそのまま入れ歯の模型になるため、患者様のお口に合わない「痛い、咬めない入れ歯」が完成してしまうのです。
オーダーメイド入れ歯について
「咬むと痛い」「よく外れる」「老けて見える」などの保険の入れ歯で発生しやすいお悩みに応えることができるのが、入れ歯の型どりから完成までを全て歯科医師が行うフルオーダーメイドの入れ歯です。技工は通常、技工士が行いますが、オーダーメイド入れ歯では歯科医師が全て技工を行うため、患者さんのお悩みを入れ歯製作の工程にダイレクトに反映することが可能です。
また、使用する材料についても、お口の中の状態、全身疾患などを総合的に診断し、症状にあわせてレントゲン撮影、口腔内写真撮影、咀嚼筋検査、咬合検査、顎関節検査、フェイスボウ検査などを行い、患者さんごとにそれぞれ適切な材料をご提供しています。
当院では、患者様専用のトレー(オーダーメイドの型)を作成し、精密に型どりを行っております。「痛くて噛めない」「入れ歯がゆるい」「人前で笑えない」等のお悩みがおありの方は、オーダーメイド入れ歯をご検討・ご相談下さい。(※オーダーメイド入れ歯は自由診療となります。金額についてはページ下部の料金表をご覧ください。)
なお、他院にてすでに入れ歯治療を実施中の方で、治療方針・治療費用などについてご相談をされたい方は、当院のセカンドオピニオン外来をご利用下さい。歯科用CTなどの機器を用いた高精度な診断や、ご相談いただいた治療方法の良い点、悪い点を中立的な立場からお伝えさせていただきます。入れ歯でお悩みのことや治療について疑問などがございましたら、ぜひ一度ご連絡下さい。
オーダーメイド入れ歯の製作工程
①初診、カウンセリング
初診時には、視診、触診、レントゲン撮影や口腔内写真撮影などを通して現在のお口の状況を診させていただき、入れ歯の製作の前に治療の必要がないか、現在の入れ歯がお口にどれだけ合っているかということを確認していきます。また、併せて現在のお口のお悩みや、これまでの治療の経緯、生活習慣や今後の生活上のご希望などをヒアリングさせていただき、どのような入れ歯を製作していくのが適切かを検討していきます。もし、現在ご使用の入れ歯に不具合がある場合には、可能な範囲で応急的な処置を行います。
②治療方針と費用の説明
カウンセリングの内容をもとに、考えられる治療方法をリストアップさせていただき、入れ歯の種類やそれぞれのメリット・デメリット・製作期間・費用感などをわかりやすい言葉をつかって丁寧にご説明させていただきます。特に、自由診療の場合は製作期間が長くなり、金額のご負担も大きくなりますので、ご不安に感じていらっしゃる部分を一つ一つしっかりと話し合って解消していただくことを大切にしています。その場で決めずに、自宅でじっくり検討をするということも可能です。
③大まかなお口の型取り
治療方法が決まったら、大まかなお口の型取り(印象採得といいます)を行います。この型取りで、歯の形やあごの形などがわかる型が作成され、これから製作する入れ歯のイメージをつかむことができます。この型をもとに患者さんお一人おひとりの口に合わせた個人トレーというものを作成します。
④精密な型取り
大まかに取った型を使って、精密な歯型を取ります。この時点での調整は、くちびるや頬の筋肉や舌などお口の周辺の筋肉の動きを再現するためのものとなります。精密な型取りは、ぴったり合う入れ歯を製作する上で最も大切な工程です。型は大きくても小さくてもいけません。型が大きすぎるとでき上がった入れ歯が舌や頬の筋肉と衝突してしまいますし、型が小さすぎると使用中の痛みや入れ歯が外れる原因になるため、細心の注意を払って作業を進める必要があります。場合によっては、複数回になります。
⑤かみ合わせの決定(通常一回(BT)、難症例二回(BT、GOA)
でき上がった型を実際に口の中に入れて、人工歯の位置やあごの位置などを計測し、最適な咬み合わせの位置と高さを決定します。咬み合わせの良さは、よく咬める入れ歯をつくる上で大変重要なポイントです。咬み合わせが悪いとものが食べにくいだけでなく、身体全体のバランスが悪くなってしまいますので、頭痛や肩・腰・膝などの痛みの原因になることがあります。
⑥入れ歯の試着
製作した入れ歯を装着し、実際の使用感や咬み合わせの状況、発音の明瞭性、笑顔のチェックなどを行います。また、入れ歯を入れた状態でのものの食べ方、快適で清潔にお使いいただくためのお手入れの仕方、長持ちさせるための保存の仕方についてもご説明をさせていただきます。
⑦最終調整、仕上げ
実際にご使用いただくなかで出てきた問題点や追加のご要望などをお伺いし、快適に使える「自分だけの入れ歯」に仕上げていくための最終調整を行っていきます。保険よりも調整回数は少ないです。何か気になる事がございましたら、無理や我慢をなさらずにすぐにご相談下さい。
⑧定期健診
どての状態、全身状態により定期検診の頻度が変わります。歯がなくなったどては、時間とともにやせていきます。作った当初はピッタリとあっていた入れ歯の床とどてに隙間ができてきます。そうなると、どてに吸いついている総入れ歯は外れやすくなります。定期健診でこのわずかな隙間をいち早く発見し、調整する事により長い期間安心してご使用していただけます。定期健診の詳細については、当院HP「入れ歯の定期健診のご案内」をご覧ください。
本当に良い入れ歯というものは、身体の一部のように感じることができ、人生を前向きにしてくれるものだと考えています。口には、食べる・話す・笑うなど大切な役割があり、良い入れ歯があれば、おいしくものが食べることができ、大切な人と楽しく会話をすることができ、楽しいときや嬉しいときに心から笑うことができるようになります。
当院では、いつまでも元気に生きる患者さんを支えたい、私たちは単なる道具でなく、人生のパートナーとなれるような入れ歯を目指して作製をしております。
保険診療と自由診療の入れ歯の違い
入れ歯を検討されている方は、保険の入れ歯と自由診療の入れ歯のどちらが良いかを悩まれている方も多いかと思います。以下では、この2つの診療で製作した入れ歯の違いを詳しくご説明いたします。
保険診療は、健康保険など保険が適用される診療のことで、患者さんのご負担金額は費用の3割となります。金額が安く治療ができるというメリットがある一方で、国が定めた手順、素材などで作る必要があり、どの様な状態であっても、患者さん個人のどて、歯によらず決められた方法で各工程で一回しか行えません。当然、このような製作過程を経るので期間は短くなりますが、機能的にも審美的にも十分な入れ歯を製作する事が難しいというデメリットがあります。保険診療での入れ歯作成は、あくまで最低限の状況を回復するための診療とお考えいただくと良いかと思います。
一方、自由診療は保険適用外のため費用は高くなってしまいますが、保険診療のような制約がないため、患者さん一人ひとりのご要望に合わせてご満足のいくところまで機能を追求することができる診療となります。ご要望が満たせる素材を使い、数倍以上の製作期間をかけて、複数回の型取りや精密な調整もできるということで、入れ歯の耐久力・装着性・咬みやすさ・発音のしやすさ・審美性などを高めることが可能です。
比較項目 | 保険診療での入れ歯づくり | 自由診療での入れ歯づくり |
---|---|---|
医療費負担 | 3割負担 | 全額負担 |
作業工程 | 3~5段階 | 10段階前後 |
製作期間 | 2ヶ月前後 | 2ヶ月強~3ヶ月程度 |
メンテナンス | 定期的に作り直しになることが多い | 年に数回 |
入れ歯の強度 | 弱い(耐用年数が半年~数年程度と短い) | 強い(数十年使えるものもある) |
口内の違和感 | 大きい(食べづらい、味がわかりにくい、発音しにくい) | 少ない(食べやすい、味がわかりやすい、発音しやすい) |
人工歯の素材 | レジン歯
硬質レジン歯 |
セラミックス
ブレードティース メタルティースなど |
人工歯の色・形 | 少ない(色や形にこだわりにくい) | 多い(自然な色合いや形にできる) |
義歯床の素材 | プラスチック | コバルトクロム
チタン ゴールド プラチナ など |
部分入れ歯の固定方法 | クラスプデンチャー (バネあり) |
ノンクラスプデンチャー (バネなし) アタッチメントデンチャー コーヌステレスコープ など |
自由診療は、保険診療と比べて金額が高くなり製作期間も長くなりますので、遠慮せずに疑問や不安をどんどんぶつけて、ご自分にぴったりの入れ歯が作れそうかを納得いくまで確認してみることをおすすめします。いきなり診療に行くのは気が引けるという方は、「無料入れ歯お悩み相談」も定期的に実施しておりますので、気になる方はぜひ一度お問い合わせ下さい。
当院で扱っている入れ歯
一般的な入れ歯(プラスチック床)
コピーデンチャー(3D入れ歯)
嚥下用入れ歯:PLP(軟口蓋挙上装置)/PAP(舌接触補助装置)
顎入れ歯
シリコン入れ歯
BPSデンチャー
金属床(コバルトクロム)
金属床(チタン)
金属床(ゴールド)
ミニインプラント入れ歯
インプラント入れ歯
磁性アタッチメント入れ歯
ミリング入れ歯
o-ring入れ歯
スマイラブルデンチャー(バルプラスト、ミラクルデンチャー、アルティメット義歯など)
テレスコープ入れ歯
オーダーメイド義歯
※料金・オプションについてはページ下部をご覧下さい。
入れ歯治療のよくあるご質問
Q1.入れ歯が合わなくて困っています。どうしたらよいですか?
A. まずは、お口と入れ歯を拝見しないとお答えができませんが、入れ歯自体の問題か、使用方法の問題かについてはお口と入れ歯を見れば判断することが可能です。
Q2.インプラントと入れ歯とどちらがよいのでしょうか?
A.症例ごとに、患者様のご要望ごとに、回答は全く異なります。そのため、当院では必ず入念にヒアリングをさせていただき、適切なプランを提示するようにしています。
Q3.他の医院でつくった入れ歯を調整してもらえますか?
A.製作者責任があるため、原則的に自院製作物以外はお断りをしています。治療開始にあたって、どうしても必要なケースに限り、ご調整をさせていただくことがございます。
Q4.入れ歯はどれくらい持つのでしょうか?
A.お口の中の状態、全身状態、使用材料により持ちが変わります。保険で製作する入れ歯は6か月で再作製が認められています。耐用年数としては半年程度とも解釈が可能です。保険外の入れ歯であれば、支えとなる歯が痛まない限り、すり減ったり傷んだりしますが、10年単位で長期間にわたって使用可能です。長く使っていただくため、定期的なメンテナンスをお勧めしています。
Q5.保険の入れ歯と、保険外の入れ歯はどちらがよいのですか?
A.費用をおさえたい患者さんには、保険の入れ歯がおすすめです。ただ、保険の入れ歯は製作にかけられる時間や工程に限りがあるので、ご自身に合う入れ歯をお求めの場合には、自由診療の入れ歯を一度ご検討なさってみて下さい。
Q6.入れ歯のばねが気になります。どうにかなりますか?
A.適応症例であれば金属製のバネがない入れ歯を製作することができます。カウンセリング時にご相談ください。
Q7.入れ歯がおちます。どうにかなりますか?
A.おちる入れ歯は現在の歯ぐきの形にあっていない可能性があります。
Q8.顎の骨がなく、インプラントが難しいと言われました。入れ歯でどうにかなりますか?
A. 通常骨が薄くなっている方の土手は陥没型と言われて、インプラントだけでなく、入れ歯も難渋するケースが多数あります。まずは、現状を診断させていただいてから処置を検討いたしますので、一度ご相談ください。
Q9.他院で入れ歯の治療中ですが、ご相談をすることは可能でしょうか?
A.はい、ぜひご相談下さい。当院では、セカンドオピニオンを実施しておりますので、現在の歯科医院の入れ歯治療にお悩みの方や治療法などに疑問などがございましたら、いつでもお気軽に当院スタッフにお声がけ下さい。
入れ歯治療をご検討中の方へ
「入れ歯は気になるけど、歯医者はちょっと怖い…」「今からでもお口が良くなるかしら」とお考えの方、まずは当院の医師にご相談してみませんか?
お口や入れ歯のお悩みは、人それぞれです。歯が抜けたままになっている、ものが食べづらい、痛くて咬めない、入れ歯が外れる、入れ歯が割れてしまった、臭いが気になる、入れ歯を入れると老け顔になってしまう、良い入れ歯を作る費用が知りたいなど、まずは皆様のお悩みをお聞かせ下さい。
お口の中や入れ歯の状態も診させていただき、お悩みの原因や解消方法について簡単にアドバイスをさせていだたきます。実際に治療を進めてみたいという場合には、次回の診察予定を取り付けることも可能です。
当院では、カウンセリングを通して、今のお口の状況だけでなく、ご相談いただいた方から「どうありたいか」「何を変えたいか」「何ができるようになりたいか」といったご希望を伺い、長期的な治療プランを患者さんと納得いくまでしっかりと話し合って一緒に創り上げていくことを大切にしています。
ご来院いただく皆様の、おいしく食べる、楽しく話す、思いきり笑うといった日常の大切な活動を全力でサポートし、「あの時に相談をしに来て、本当に良かった!」と言っていただけるように、毎日診療を行っています。お口のことでお困りのことがあれば、遠慮せずにいつでもお気軽に、なんでもご相談をいただければと思います。
入れ歯の自由診療料金について
◇総入れ歯
コピーデンチャー | 100,000円~ (片顎) |
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嚥下用入れ歯 | PLP(軟口蓋挙上装置) 150,000円~ PAP(舌接触補助装置) 150,000円~ |
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顎入れ歯 | 150,000円~ (片顎) |
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シリコン入れ歯 | 350,000円~ (片顎) |
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BPSデンチャー | 400,000円~ (片顎) |
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金属床(コバルトクロム) | 500,000円~ (片顎) |
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金属床(チタン) | 700,000円~ (片顎) |
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金属床(ゴールド) | 900,000円~ (片顎) |
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ミニインプラント入れ歯 | 840,000円~ (片顎:ミニインプラント4本埋入します。ミニインプラント420,000円) |
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インプラント入れ歯 | メタルメッシュフレーム520,000円(片顎) メタルフレーム730,000円(片顎) ジルコニアフレーム940,000円(片顎) |
インプラント4本+暫間補綴物+最終補綴物=最終費用となります。
インプラント埋入オペ、インプラント体、インプラントの土台、局所麻酔、上部構造(かぶせもの)、仮歯、初回薬代を含むセットです。
磁性アタッチメント入れ歯 | 315,000円~ (インプラント300,000円~/1本 磁性アタッチメント加工全体60,000円 キーパーのみ20,000円 磁性のみ40,000円) |
どての状態が良ければ、2本で固定、状態が悪くても4本のインプラントがあれば固定できます。
オーダーメイド義歯 | 1,000,000円 (片顎) |
※オーダーメイド義歯の詳細をお知りになりたい方は、当院HP「入れ歯治療」のページをご覧いただくか、直接お電話にてお問い合わせ下さい。
◇部分入れ歯
コピーデンチャー | 100,000円~ (片顎) |
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ミリング入れ歯 | ミリング冠×ドナー 100,000円×本数 ミリング冠×レシピエント 300,000円×本数 |
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o-ring入れ歯 | 400,000円~ (片顎) |
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スマイラブルデンチャー | 1~3歯 300,000円~ 4~7歯 350,000円~ 8歯~ 400,000円~(片顎) |
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金属床(コバルトクロム) | 1~3歯 450,000円~ 4~7歯 500,000円~ 8歯~ 550,000円~(片顎) |
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金属床(チタン) | 1~3歯 500,000円~ 4~7歯 650,000円~ 8歯~ 760,000円~(片顎) |
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金属床(ゴールド) | 1~3歯 760,000円~ 4~7歯 890,000円~ 8歯~ 950,000円~(片顎) |
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テレスコープ入れ歯(①リーゲル入れ歯、②コーヌス入れ歯) | 片顎片側 300,000円~ 片顎両側 600,000円~ +維持装置 180,000円~ 被覆部 歯牙の処理(130,000円~)×本数 義歯の処理(180,000円~)×維持装置 |
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※オプション | 各種アタッチメント 80,000円1箇所 リーゲルバー 80,000円1本 ディンプル加工 30,000円 |
医院までの地図
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