コラム
歯周病とアルツハイマー病の関係について
はじめに
町田NI歯科では、歯周病治療を通じて患者さんの全身の健康を守ることを大切にしています。
近年、歯周病と認知症(とくにアルツハイマー病)の関連が世界的に注目され、歯科医療が「口の中だけの問題」にとどまらないことが明らかになってきました。
- 歯周病とアルツハイマー病の関連研究
・台湾で50歳以上の歯周病患者を10年間追跡した研究では、慢性歯周炎のある人はアルツハイマー病の発症リスクが約1.7倍に高まることが示されています[1]。
・アルツハイマー病で亡くなられた方の脳組織からは歯周病菌ジンジバリス菌が検出され、正常な方では検出されなかったという報告があります[2]。
・2019年の研究では、ジンジバリス菌が産生する酵素「ジンジパイン」が脳内で多く検出され、その量がアルツハイマー病で増えるタウたんぱく質の量と相関していることが分かりました[3]。
・歯周病菌は血流を介して全身へ広がる可能性があり、虚血性心疾患患者の冠動脈や大腿動脈からもジンジバリス菌が検出されたという報告があります[4]。
- 歯周病菌は全身を巡る
歯周病菌は口腔に限らず全身に影響を及ぼす可能性があります。未解明な点はあるものの、認知症や心血管疾患のリスクと関連する研究が蓄積しており、「口腔の清潔維持」が健康寿命の延伸に資することが示唆されています。

町田NI歯科の取り組み
・歯周基本治療(歯みがき指導、スケーリング、ルートプレーニング)を丁寧に行います。
・必要に応じて歯周外科や咬合・生活習慣への介入も含め、再発リスクを下げる計画を提示します。
・定期的なメンテナンス(3〜6ヶ月)と、糖尿病や喫煙などのリスク因子へのカウンセリングを行います。
・症状の早期相談を歓迎します(歯ぐきの出血、口臭、歯のぐらつき、歯ぐきの下がりなど)
行動の提案(今日からできること)
・歯垢を減らすことが最良の予防策です。毎日の正しい歯みがきと歯間ブラシ・フロスの併用を習慣化しましょう。
・禁煙、十分な睡眠、ストレス管理、栄養バランスは歯周病の進行抑制にも有効です。
・気になる症状があれば、早めに歯科受診を。早期介入が治療効果と生活の質の維持に直結します。
歯周病は放置すると歯を失うだけでなく、全身の健康にも影響します。早期発見・早期治療が鍵です。気になる症状がある方は、専門的な治療を行う歯科医院に相談してください。
町田NI歯科には、東京都歯科医師会が実施する「認知症対応力向上研修」を修了した歯科医師が所属しています。認知症の方やご家族にも安心して受診いただける体制を整え、口腔の健康を通じて生活の質の維持に貢献してまいります。
参考文献
[1]Alzheimers Res Ther. 2017; 9: 56.
[2]J Alzheimers Dis. 2013;36(4):665–77.
[3]Sci Adv. 2019 Jan 23;5(1):eaau3333.
[4]J Oral Microbiol. 2017 Feb 8;9(1):1281562






