コラム
歯周病コラム 沈黙の病気から歯を守るために
「歯が痛くないから大丈夫」
——そう思っていませんか?歯周病は痛みなく静かに進行し、気づいたときには歯を支える骨が溶けていることもあります。
日本人成人の約8割が罹患しているといわれるこの病気について、正しく理解しましょう。
▍ 歯周病とは何か?
歯周病は、歯と歯茎の境目(歯周ポケット)に溜まった細菌の塊(歯垢・歯石)が引き起こす感染症です。
初期は「歯肉炎」として歯茎の腫れや出血のみですが、放置すると「歯周炎」へと進行し、歯を支える骨(歯槽骨)が少しずつ吸収されていきます。
やがて歯がグラグラになり、最終的には抜歯が必要になることもあります。
特に怖いのは、軽度〜中等度の段階では痛みがほとんどないことです。
「歯が痛くないから問題ない」は大きな誤解です。
▍ 年代別の罹患率:あなたの世代はどれくらい?

▲ 図1:年代別 歯周病罹患率(厚生労働省 歯科疾患実態調査 2016年)
罹患率は年齢とともに急増しますが、30代から既に約3人に1人が罹患しています。「自分はまだ若いから大丈夫」ではなく、20〜30代から予防を意識することが重要です。
▍ 歯周病の進行ステージ

▲ 図2:歯周病の進行ステージ(健康→歯肉炎→軽度→中等度→重度)
▍ 歯周病と全身疾患のつながり
歯周病は単なる「口の中の問題」ではありません。歯周病原菌や炎症性物質(サイトカイン)が血液を通じて全身に広がり、さまざまな全身疾患と密接に関わることが明らかになっています。
●糖尿病:歯周病は糖尿病を悪化させ、逆に血糖コントロールが悪いと歯周病も重症化する「双方向性」の関係がある
●心臓病・脳卒中:歯周病菌が動脈硬化を促進し、心筋梗塞・脳梗塞のリスクを1.2〜2倍高めるとされる
早産・低体重児:妊娠中の歯周病は、早産・低体重児出生のリスクを高めることが報告されています。妊娠前・妊娠中の歯科検診は非常に重要です。
▍ 当院の歯周病治療の流れ
➀精密検査(歯周ポケット測定・レントゲン撮影)→ ➁染め出し検査(PCR検査)ブラッシング指導・セルフケア強化 → ➂スケーリング・ルートプレーニング(歯石・細菌の除去) → ➃再検査(改善確認) → ➄必要に応じた外科的処置 → ➅定期メンテナンス(3〜6ヶ月ごと)
当院では歯科衛生士が患者さまひとりひとりに合ったブラッシング指導を行い、ご自宅でのセルフケアも徹底的にサポートします。
💡 歯周病は「治る病気」ではなく「コントロールする病気」です。治療後も定期的なメンテナンスで再発を防ぐことが最も大切です。






